台風で倒れた木で隣の駐車場が壊れ、修理代金を全額請求されていますが、全額賠償の義務はありますか?




静岡県に山林を所有する東京在住です。

先月の台風にて、所有山林地の隣家の駐車場の屋根が倒木で破損しました。家主からは、巨木の撤去と駐車場の屋根をなんとかして欲しいとの依頼で、地元業者に依頼し作業をしております。

ただ、設置5年経過の駐車場屋根でL字鉄骨4本の柱にグラスライトを乗せた物ですが、今回、メーカーブランド商品で総額50万円の新品にて、見積請求したいと言われております。

確かに、土地の所有者責任と言われれば、そうですが、天災(台風)での自然木の倒木です。新品まで、弁償する必要はあるのでしょうか。

被害に遭われた家は、5年前に土地を購入し家を建築しています。今回、倒れた木は、それ以前より有るものです。近隣環境を認識の上、居住したのでは?

倒れた木の撤去は、当然、こちらで行うものとして80万近くの費用にて実施してます。

新品の駐車場屋根代金を全額、こちらで負担しなければならないものでしょうか。

(質問no.213 お名前:今井さん 東京都)




賠償義務は、原則として毀損した物と同等の範囲内ですが・・・。

今井さん、はじめまして。サイト管理人の北条たかとと申します。

所有山林地の隣家の駐車場の屋根が倒木で破損しました。

敷地内の木を含む土地工作物については、通常有すべき安全性や管理に瑕疵がある場合(通常有すべき安全性を欠いていたかどうかで判断されると良いでしょう)、その瑕疵がある事について今井さんが無過失であっても、法律上の責任を免れる事はできないのが原則です。

今回の場合、土地自体は静岡県にあり、お住まいは東京都との事ですので、管理に瑕疵があったと判断される可能性は残念ながら高いと考えられます。

土地の所有者責任と言われれば、そうですが、天災(台風)での自然木の倒木です

原則として、立木については「栽植・設置又は支持・管理」に瑕疵がある=通常有すべき安全性を欠いていた場合には、自動的に賠償責任を問われる事になるのですが、例外もあり、観測上でもかなり大きな規模のもの(通常は予測し得ない規模のもの)であって、立木が通常有すべき安全性を欠いていないにも関わらず倒木して損害を与えた場合には、賠償責任は生じないものと考えます

これは個別的に上を考慮する必要がありますので、以上の解説からご判断下さい。

近隣環境を認識の上、居住したのでは

通常、被害を被った側に過失がある場合には、過失相殺されますが、これは該当しません。これを相手方の過失としてしまうと、殆ど全てのケースで被害救済ができない事になってしまいます。

当然、こちらで行うものとして80万近くの費用にて実施してます

残念ながら、そのまま放置しておく訳にはいきませんから、これに関しては止むを得ないでしょう。

メーカーブランド商品で総額50万円の新品にて、見積請求

新品の駐車場屋根代金を全額、こちらで負担しなければならないものでしょうか

損害を与えてしまった物と同程度の金銭賠償で結構です。損害を超える、グレードアップの必要はありません。