マンションの騒音問題を巡る法律相談




感情論にならない様、注意が必要

マンション上階での子供の走り回る音が受忍限度を超えているとして、東京地裁で慰謝料60万円、騒音の調査費用、64万円を支払う旨の判決が出ました。

この件の騒音数は45~66DB(デシベル)だったそうですが、基本的に55を超えるとかなり大きな音として聞こえます。

このような音が昼間だけではなく、午後9時を過ぎても聞こえていたようで、裁判所は上の階に住む親が配慮すべき義務を怠ったと判断したのです。

この判決自体は妥当なものであると考えますが、専門業者の調査で分かった点が非常に興味深いですね。

通常、我々の考えであれば、音を防ぐ為にマットをひいたりしますよね。事実、その部屋に住んでいる住人から見ればそのマットのおかげで音が軽減されたと考えます。




でも、下の階でその音を聞くと、デシベル数としては「全く変化がない」んです。それは何故か?

実は、下の階で騒音として聞こえる音は、例えば歩く際や物が床に落ちた際に生じる「振動」がコンクリートの床に伝わって下の階まで音として聞こえてしまうからなんです。

ですからマットを敷いても、子どもが飛び降りる音などは、それほど小さくならないという訳なんです。

今回の判決の中では、午後9時から午前7時までは40dデシベル、午前7時から午後9時までは53でしべるに達する音を出してはならないと命じていますが、これはかかとをつけてドスドスと歩かなければ生じない程度のデシベル数ですので、必要以上の心配は要りません。