無料法律相談ネット/認知症と公正証書遺言の効力

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母が初期の認知症でも公正証書遺言を作成しているので遺産分割は問題ないと考えますが、どうでしょうか?


前略。お世話になります。遺産想像の件でのご相談です。簡潔に書きます。

10月31日母89歳死去。子供、つまり遺産相続人は不仲の兄と小生の兄弟2人だけ。

約10年前に父死去の時、父は米国在住の次男の小生に遺産や母の将来など任すという遺言を残す。

兄が嫁に弱く子供3人が本来は教育重視の家系なのに本人たちは努力もせずに遊んでいたことに父は腹が立った。遺産を一切やらないとも言った。努力家の兄は不服。兄は父がそう言ったことは最近認めたが、父の精神状態に問題ありとした。

当時父が言ったことは証人は多数いるが書いたものはなく、小生は兄に屈服・妥協。兄弟4分の1ずつ分けて母が残りの半分を相続。

父亡き後、父遺言により小生は日米を年に5−6回往復、米で人まで高額で雇って自分の時間を作り、3年間の横浜自宅での介護、その後の2ケ所の施設探し、母の預貯金も全て管理、後見人のようなことを9年以上続けた。

最初の半年くらいは父の遺言があったため黙っていた兄は徐々に小生との仲が悪くなると細かいことで文句ばかり言うようになった。

母死後、つまり今年11月頃、兄は資料整理中に見つけたと言って母の自筆遺言書を出した。

日付けは平成16年7月17日。内容は兄弟半分ずつ。母を知っている人間は皆、母が1人で内容はともかくそんなものを自分だけで書くことがないことを言っている。唯一の親族、母の妹 も家計簿さえも書かない人間が遺言書を1人で書くことあり得ないと証言した。

小生は当時そんなものがあるとは知らなかったが、兄所有の母・自筆遺言書の日付けの「2ケ月弱後」、初期の認知症だった母にいつ自分がわからなくなるか分からない、自分の遺産は将来きちんとしなくてはいけないと頼まれ、平成16年=2003年9月3日、公証人の方に依頼して、司法書士など2人が小生がいない場所で母から事情を聞き、公証人が公正証書の遺言状を作成した。

内容は兄は遺留分だけ。その後、母は急に思い出したとして、「次男(=小生)が海外出張で長期留守の時、不安になって長男に言われてなにか書かされた。自筆だが内容は自分の意思ではない」と書き残した。

母の遺産は自宅の土地3000万と預貯金200万くらい。兄弟がそれぞれ自分に遺産も母の将来も全てを任す、相手が悪いというような母自筆のメモを持っている。

明らかに母は兄弟に合わせて、内容は全くの逆、それぞれが喜ぶような内容を書いていた。証拠能力はないと思うが、兄は母が話す録音まで持っている。中には小生が次男のくせに家を乗っ取ろうとしている、人間のクズだという言葉もあるという。

質問(1)
現在もめているのは葬儀費用・入院費はこちらが払ったが、喪主の兄が集めた香典、母入院の時のお見舞い金の詳細を小生に教えないこと。小生と父が反対した墓地への母の納骨費用をこちらが払うと約束しないと教えないという。小生はいずれ公正証書により、こちらが遺産処分権を得るので、そのその時に精算すればとも思っています。

(2)
公正証書があるのは兄に言ったが、まだ見せていない。この証書を元に土地の名義変更を早めにしていいのですか?それとも、遺言執行には裁判所や兄の事前合意が必要なのでしょうか?

(3)
小生は日本での仕事はなく、他のこともやりましたが、基本的に母介護が理由で日本に来ていました。両親が住んでいた横浜自宅の管理・運営・光熱費用、アライグマ駆除費用30万、車の維持費、灯油代、ガソリン代、壊れたTV買い替え代、電気自転車代、日米往復の飛行機代、日本に来るため米で人を雇った費用なども、兄に分ける前に母遺産から事前に取れるのでしょうか?一部は既に母口座から引落しています

(4)
兄は公正証書があろうが、自分が持っている母自筆メモや遺言書を元に僕が母に圧力をかけてやらせたとして戦うと言っています。ただ兄は僕が持っているような「兄に書かせられた」というようなメモは持っていません。僕はこちらが日付けも後、公正証書ですので勝つと思っています。どのような対応がいいのでしょうか?

お手数ですが、よろしくお願い申し上げます。ありがとうございます。

(質問no.708 12.11/29 お名前:野口さん 神奈川県  遺言・相続カテゴリ


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当サイトからの回答

当サイトからの回答
必ずしもそうとは言い切れないのが現状です。



野口さん、はじめまして。無料法律相談ネット・管理人の北条たかとと申します。


>葬儀費用・入院費はこちらが払ったが
>喪主の兄が集めた香典、母入院の時のお見舞い金の詳細を小生に教えないこと。

葬儀費用、入院医療費共に、法律でこうすべしとは決まっていないのが現状です。

実務的には葬儀費用は香典でまかない、足りない場合は相続財産から拠出するのが一般的です。医療費関係は本人の財産からの拠出となります。


>証書を元に土地の名義変更を早めにしていいのですか?それとも、遺言執行には裁判所や兄の事前合意が必
>要なのでしょうか?

既に相続が発生しているので、現段階で財産分配や各種名義変更に早い遅いはないでしょう。

又、遺言書に遺言執行者が指定されている場合は遺言執行者に任せる必要があります(相続人単独での処理は出来ません)が、遺言書に分配に関して明確に定めがある場合は他の相続人の合意は必要ありません。

ただし、口座の払い戻し等の手続きに関しては他の相続人からの同意書のようなものを要求される事が多いですので、後述する公正証書の有効性の事も含め、遺言書を見せた上で同意を取られるのをお勧めします。


>兄に分ける前に母遺産から事前に取れるのでしょうか?一部は既に母口座から引落しています

介護にかかる費用は基本的に無償性のものであり、自己負担で行わなければならず費用を請求する事はできません。ですので、自身の相続の取り分からの引き落としてする必要があります。(勿論、事前に親の同意を得ている場合はその限りではありません)

今回のケースの場合は介護の件も含めて事前に遺言書にて財産分配に差がつけられていると思われますので、いずれにせよ、自身の取り分から回収する形になるでしょう。


>僕はこちらが日付けも後、公正証書ですので勝つと思っています。

初期とは言え、認知症の人物が作成したという部分がポイントとなります。実際、争いになり、公正証書でもその効力が否定されているケースは多くあります。

ですので、公正証書作成当時にはお母様の意思はハッキリしていたと証明していく必要が出てくるでしょう。

尚、遺言書の有効性が否定された場合、それまでに行った相続手続きもやり直す必要がありますので、その観点からも他の相続人からの同意書が重要となります。


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回答者 : サイト管理人 北条たかと  この回答者の詳細はこちらをクリック



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