今まで長男名義の家屋にタダで住んでいましたが、今までの家賃を請求される可能性はありますか?




父方の兄弟との土地・家屋の問題について相談させていただきます。

父・母の住まい(私の実家)は土地・家屋とも長男名義のものです。祖父は父が中学生の時に亡くなり、その際に土地は祖父名義から長男に、家屋は祖母名義だったのですが、祖母が亡くなった後(私が小学校6年)に長男が自分名義としました。

始めは長男夫婦が祖母と暮らしておりましたが、何らかの理由で家を出(私が生まれる前)、現在は長男の嫁の土地におります。

次男は実家の土地1/3を祖母が亡くなるより以前に長男より譲られています。長男が出て行った後は三男である父が実家に祖母・私たち家族と暮らしてきました。

祖母には家の名義以外に財産や収入は無く祖母の暮らしは父の給与でまかなっていました。

祖母は生前、土地は3人(長男・次男・三男)で分けるよう話しており、祖母の生前より何度か分けてもらえるようお願いしたらしいですが、結局譲ってもらえず、疎遠な様態で現在に至っています。

両親も老齢の域に入り、どちらかが又二人とも亡くなった際に私たち子供にその後始末がくるのではと心配し始めました。

土地・家屋の固定資産税は長男が払い続けてきています。今まで家賃などは払っていません。立ち退き要求などもありませんでした。家は一度大きく改築していますが長男の許可は貰ったようです。

今後、今までの家賃を法的に請求される可能性はありますか?また支払い義務はありますか?

父は父の生まれた家なので住む権利があると言っています。

また父が亡くなった際に、母への立ち退き要求や上記の家賃請求、もしくは家屋の解体など要求される可能性はありますでしょうか?家屋も長男名義ですので家財の処分のみで大丈夫でしょうか?

母は家屋の解体となると大変な費用がかかるので(父は自営でしたので大きな工具や仕事場があります)自分たちが亡くなったら遺産放棄をするようにと言っています。

遺産放棄すると、家賃や解体を請求された場合に支払い・解体義務も消滅するのでしょうか?(他に借金がある訳ではありません)

(質問no.644 12.08/30 お名前:佐藤さん 群馬県)




賃貸契約をしているかどうかがポイントです。

佐藤さん、はじめまして。無料法律相談ネット・管理人の北条たかとと申します。

今後、今までの家賃を法的に請求される可能性はありますか?また支払い義務はありますか?

家賃と言うものは契約に基づいて支払い義務等が発生する類のものですので、その建物に居住するに当たり、権利者と契約をしているかどうかがポイントになるでしょう。

そうした取り決めをしていないのであれば、していない期間に関しての支払い義務は無いと考えます。

とは言え、請求をするのは相手方の意志次第であり、請求を受けないという事とは別問題ですので、仮に請求を受けた場合には支払い義務は無いとして争う必要は出てきます。

父は父の生まれた家なので住む権利があると言っています。

頂いた文面だけで判断するに、法律上の権利はありません。

母への立ち退き要求や上記の家賃請求、もしくは家屋の解体など要求される可能性はありますでしょうか?

分かりやすく言う所の居候の様な形と同形態ですので、立ち退き請求の可能性はあります。家屋の解体は権利者が行うべき類のものです。

遺産放棄すると、家賃や解体を請求された場合に支払い・解体義務も消滅するのでしょうか?

相続放棄はマイナスの遺産を相続したく無い場合に行う手続きであり、上記のものは遺産ではありません(所有権が他人の家屋である為です)ので、そもそも関係ないと考えます。