仕送り等、常識的範囲内ならば遺産相続の割合に関係ないと聞きました。その範囲はどの位でしょうか?




今回父が亡くなり遺産相続が発生しました。遺産相続人は私と兄です。

父が生前私に仕送りをしており、その分遺産相続からマイナスしろと兄に言われました。合計で1300万ぐらいで期間はH14~H22までです。しかしH14~H18まで1025万送ってもらいましたが専門学校に行ってました。

社会に出る前の送金は常識的な範囲なら遺産相続に関係ないという判例があると聞きました。

そこで質問なのですがこの常識的な範囲と言うのはどのぐらいの範囲なのでしょうか?

ちなみに私は専門学校へ行っているときは一人暮らしをしていました。

あと、この常識的な範囲と言うのは何を基準にして考えるのでしょうか?総務省の統計データは証拠になりますか?

(質問no.564 12.05/23 お名前:匿名さん 東京都)




そもそも常識的範囲という考え方が違います。

匿名さん、はじめまして。無料法律相談ネット・サイト管理人の北条たかとと申します。

当サイト相談規約に記載のある通り、匿名でのご相談に関しては掲載自体をしておりません。ただし、今回のケースの場合、相続トラブルという事で時間的な問題もかかわってくる観点から、取り急ぎ特別に掲載します。

合計で1300万ぐらいで期間はH14~H22までです。

H14~H18まで1025万送ってもらいましたが専門学校に行ってました。

学費や仕送り分が特別受益に該当するかどうかがポイントとなります。

尚、特別受益は主に

  • 結婚持参金
  • 開業費用
  • 住宅購入費用
  • 他の相続人と比べて高額な場合の学費等

が該当します。

社会に出る前の送金は常識的な範囲なら遺産相続に関係ないという判例があると聞きました

いいえ、社会に出る前の学費等も、相続の分配の割合に関係する特別受益に該当する場合があります。

具体的には他の相続人が受けなかった進学の分(他の相続人が大学に進学しなかった場合で、あなただけ進学した場合や、留学したり専門的な勉強の為に進学した場合)の費用負担は、一般的には社会に出る前の送金ですが、特別受益に該当します。

そして、社会に出る前だから特別受益の計算から除外されるという事でもありません。

尚、あなたがおっしゃる判例に関しては分かりませんので、この判例が気になるようでしたら、ご自身で調べて頂くか法律専門家に正式に相談して調べてもらう事をお勧めします。

質問なのですがこの常識的な範囲と言うのはどのぐらいの範囲なのでしょうか?

直接的な額の問題ではなく、他の相続人との兼ね合いという事になります。

例えば大学の学費は私立の場合でも各校それほど大差はありませんし、その額自体を常識的な範囲と考える事はできますが、だからと言って直ちに遺産分配の割合に関係ないという理屈にはなりません。

先の説明の「住宅購入費」を例にしても、相場の平均的価格の範囲内の建売だから特別受益にはならない、とはなりません。

ですので、特別受益に関しては常識的範囲という考え方自体が誤りと捕らえておいた方が良いでしょう。

この常識的な範囲と言うのは何を基準にして考えるのでしょうか?

他の相続人との兼ね合いです。他の相続人が、あなたと同程度の額の学費援助を受けていれば問題ありません。

総務省の統計データは証拠になりますか?

既述の解説の通り、なりません。