建物の老朽化等を理由に不動産屋から引っ越してくれと言われていますが、立退き料は請求できますか?
いきなり不動産屋に引越ししてくれといわれ困っています。
3階建てのワンルームマンション築27年の2階に20年前から住んでいます。
1階が大家さんで、下にかなり水漏れがあるといい先日自分の部屋の台所の排水を修理しました。前々から自分の部屋はつまり気味で、10年前から何度も大家さんに頼みそのつど修理しました。
またこのような水害が発生しないよう老朽かもあるので工事をしたいので引越ししてほしいといわれました。ぜんぜんそのようなことは考えていなかったのでお金もなくて困っています。
その引越し先に指定してきたのは同じマンションの別の部屋なのですが、「家賃はどうなるんですか」とたずねたところ「今払っている7万円でいいですよ」といわれたのですが、20年立っている1万円安い6万円で募集されてる物件でした。
突然引越しを言われ6万の物件に7万払ってまで引越ししたいとは思いません。
そこで質問なのですが、引越しはいいのですがその費用、いわゆる立退き料などは請求できるのですか、またその6万の物件に引っ越すとして、現在募集されてる6万の家賃にしてもらえるんでしょうか、またその際に別に賃貸契約をかわして敷金、礼金を払わないといけないのでしょうか。
大家さんの一方的な都合なのではっきり言って損はしたくないのが本音です。ほんとに困っています。お知恵をお貸しください。
参考事項:
賃貸契約書を確認したのですが大家さんの都合で明け渡さないといけないなどとは書かれていません。
水漏れは10年以上前からあり、17年前ぐらいは高圧洗浄などの処理を行っていたのですが管理を大家さんがやるようになってから1度も行われていません。
実際自分の部屋も少し水漏れがありその後が天井に残っています。
不動産屋が3〜4年ぐらいのペースでころころかわり今現在(3ヵ月後、9月に契約満期日)の賃貸契約書は前の不動産屋と交わしたもので今の不動産屋と交わしたものではありません。
引越しの内容に関してはまだ具体的な話はしておらず「別の部屋を用意していて今の7万払っている家賃でいいですよ、検討ください」といわれただけです。(家賃が今現在6万だとわかったのはインターネットの広告を見てわかりました)
大家さんの部屋が水浸しになり被害は甚大だといわれたのですが、修理さんの話だと「3階からつながっているのであなたのせいかはわからない」と言われ大家さんからもその被害の請求などはされていません。不動産屋の話も「あなたが悪いわけではないでしょうが、引越しを・・・」という感じの話方です。
(質問no.552 12.06/14 お名前:川上さん 東京都 消費者問題カテゴリ)
当サイトからの回答
請求できると考えます。
川上さん、はじめまして。無料法律相談ネット・サイト管理人の北条たかとと申します。
>またこのような水害が発生しないよう老朽かもあるので工事をしたいので引越ししてほしいと
>いわゆる立退き料などは請求できるのですか、
賃貸人からの賃貸物件の解約申し入れには正当事由(明確な規定は無く、正当事由は個別に鑑みられます。)が必要であり、かつ、原則として期間満了の6ヶ月前までに賃借人に対して解約の申し入れをしなけれいけません。
そして、立退き料の支払いは正当事由を補助する目的で支払われるものと解されています。つまり、語弊を恐れずに言えば、立退き料の支払い込みで初めて立ち退きを求める正当な事由になると言う事です。
そして、過去の裁判事例でも老朽化を理由とした契約更新拒否のケースで立退き料の支払いを命じるものがありますので、今回のケースの場合も立退き料を請求できると考えます。
>その引越し先に指定してきたのは同じマンションの別の部屋なのですが
そもそも立ち退きと新しい住居への引越しとは関係がありませんから、指定通りの部屋に引っ越す必要はありません。
>またその6万の物件に引っ越すとして、現在募集されてる6万の家賃にしてもらえるんでしょうか、
仮にその物件に引っ越す場合は新たな契約ですから、個別に交渉する必要があるでしょう。6万円にしてもらえるという規定はありませんので、広告を持参して交渉をされるのが良いでしょう。
>またその際に別に賃貸契約をかわして敷金、礼金を払わないといけないのでしょうか。
そうなります。ただしこれも不動産屋さんとの間で事情を鑑みてもらうよう交渉する事をお勧めします。
>引越しはいいのですがその費用、いわゆる立退き料などは請求できるのですか
立退き料が支払われる場合、引越し費用等も込みで現在の家賃の6か月分前後と言われています。ですから、そこから賄う事になるでしょう。
ただし、立退き料を請求すれば自動的に必ず支払われるという類のものでは無いので、相手方が支払いを拒否してきた場合は前述の事例の通り、訴訟にならざるを得ません。
そうした事を考慮して、今の段階で弁護士さんや認定司法書士さんに交渉を依頼されておくのも方法の1つです。
回答者 : サイト管理人 北条たかと この回答者の詳細はこちらをクリック