ライターの取扱い説明書を完全に遵守しなければ、事故での弁償はしてもらえないのでしょうか?
かなり前(1年前)の話になりますが、バナー型の(ハンダにも使える)という変わったライターを購入しました。
車の運転中にそのライターを使用したところ、そのライターは不良事故をおこして、火をふき、私は火傷を負い、私物を焦がしてしまいました。そのバナー型のライターの会社に問い合わせたところ、その商品(バナー型のライター)を送ってくれと言われ、その商品をその会社で検品してもらいました。
その会社の検品でそのバナー型のライターは異常が見られませんでした。その会社に火傷の治療費と焦がした私物の弁償を請求しましたが、取扱い説明書どおりに使用していないとケンもホロロで相手にしてしてくれません。
この相談サイトも利用規約がありますが、取扱い説明書を完全に遵守しなければ、事故での弁償はしてもらえないのでしょうか。
ちなみに取扱い説明書を遵守していないというのは、そのライターのキャップをしめていなかっただけです。
これは皆様にも関わってくるので、あえて本名で相談しました。
(質問no.176 お名前:稲田さん 富山県 消費者問題カテゴリ)
当サイトからの回答
使用者の過失が問われます。
稲田さん、はじめまして。サイト管理人の北条たかとです。
>取扱い説明書どおりに使用していないとケンもホロロで相手にしてしてくれません。
>取扱い説明書を完全に遵守しなければ、事故での弁償はしてもらえないのでしょうか。
完全にというより(勿論、完全に遵守するのならばそれに越した事はありませんが)、そのものを使用するに当たり、この部分を守らなければ怪我の危険があるといった重要な部分は当然に守る必要があるでしょう。
>そのライターのキャップをしめていなかっただけです
>車の運転中にそのライターを使用したところ、
「だけ」という事はないと考えられます。
製造物の欠陥等に基づく賠償請求を定めている製造物責任者法(PL法とも呼ばれます)でも、「製造物の特性、その通常予見される使用形態、その製造業者等が当該製造物を引き渡した時期を考慮した上での当該製造物が通常有すべき安全性を欠いている」場合に製造物そのものの欠陥が認められるとして賠償請求できるとしています。
火力が強いライターであれば、キャップを閉めていなければ事故が起きてしまうといった可能性は通常予見できますし、ライターに限らず運転中に別の物を操作する点も安全性を欠く、消費者側の過失がある行為と言わざるを得ないでしょう。
その点から考えると、どうしても今回のケースでは使用者側の過失による事故及び損害という事になるのではと考えられます。
ライター等の火を扱った事故に関して類似の事例では
- タバコ屋でもらったライターを点火しようとしたところ爆発炎上した。
- 電気カーペットを原因とする火災で家屋が焼損した。
- パソコンバッテリーから白煙、炎が噴出してやけどを負った。
- 使用中のガスファンヒーターからの出火により家屋が全焼した。
などなど複数ありますが、いずれもやはり製造物そのものに欠陥があった場合に限定されます。
消費者自身の取り扱い上の過失などにより事故を招いたと考えられるケースでも、強引に製造物の欠陥だとして(例えば今回のケースで言えばキャップが取れやすくて、それが欠陥だと主張する事等でしょうか。勿論、実際にキャップが取れやすいかどうかは別として)請求する事自体はできますが、過去の事例では訴訟の場で殆ど否定されています。
回答者 : サイト管理人 北条たかと この回答者の詳細はこちらをクリック