ドレスコードを理由に入場を止める、会場側に法律的な問題はないのでしょうか?
初めて相談させていただきます。よろしくお願いいたします。
実は先日、インターネットの大手チケットサイトでチケットを購入し、都内のライブハウスのライブに行ったところ、係員に入り口で入場を止められてしまいました。
理由はドレスコードで、正装でないと入場出来ないとのことです。
ライブにふさわしい服装でないと入場をお断りする、というのが会場側の言い分ですが、正装でないと駄目という記載はチケットにも表看板にも書かれておりません。
もちろんチケットを購入した際のチケットサイトにもそのような記載はありませんでした。
ではどこに書かれていたのか、と問い合わせると、ホームページに記載があるとのこと。正直申し上げて、チケットサイトから直接にチケットを購入したためホームページの存在は知りませんでした。
ちなみに、別の興行主さんが開催するライブで同会場は何回も利用したことがありますが、服装を問題として入場拒否されたことはありません。
チケットに「正装でおいでください」「ホームページをご覧ください」等の記載もなく、正規ルートで入手したチケットで既に料金も支払い済みであるにも関わらず、入場を禁止されるのには納得いかないのですが、この場合、会場側に法律的な問題はないのでしょうか。
また、チケットの払い戻し等を要求することは可能でしょうか。
お手数おかけして申し訳ございませんが、何卒ご相談よろしくお願いいたします。
(質問no.10 お名前:原田さん 栃木県 消費者問題カテゴリ)
当サイトからの回答
「会場側」と限定するならば法的な責任は無し。
原田さん、こんにちは。サイト管理人の北条です。
今回のご相談の中に出てくるのは、原田さんを除けば、「会場側」「興行主」「チケットサイト」の3者ですね。順に見ていきましょう。
まず「会場側」
会場側は、興行主側から、どのような顧客を入れるか入れないかといった事を始めとする業務依頼を受けている側であり、いわば、ただのハコな訳です。ですから、会場側の判断も興行主側によって変わってくるのです。(これは、依頼を受けている以上、興行主側の指針に従うのは当然の行為です)
ですから、
>別の興行主さんが開催するライブで同会場は何回も利用したことがありますが、服装を問題として入場拒否され
>たことはありません。
こういう事も当然起こります。会場側はあくまでもハコである為に、拒否する、拒否しないといった主体的な意思決定権がある訳ではないからです。意思決定(もしくはその指針)を実行しているのは興行主側なのです。
では、興行主側に責任は問えるでしょうか?
例えば、こだわりのあるラーメン屋で、先に必ずスープを飲むこと、店内で携帯を操作しないこと、これらに違反した客にはラーメンを出さない、次回から出入り禁止、といったルールがあるとします。
事前に店先あるいは店内にそうした貼り紙がしている場合は勿論ですが、仮に貼り紙がしていない場合でもそうした店側のルールは有効となります。(これを契約自由の原則と言います)
>正装でないと駄目という記載はチケットにも表看板にも書かれておりません。
>ホームページに記載があるとのこと。
不親切、理不尽に感じるかもしれませんが、少なくともこうした行為に法的な問題点はありません。(又、通常ドレスコードがある場合でも、会場の看板等には記載されないのが一般的です)
>チケットに「正装でおいでください」「ホームページをご覧ください」等の記載もなく、
>入場を禁止されるのには納得いかないのですが、
これら一連の行為によって、次から原田さんをはじめとする多数のお客さんがライブに行かなくなり、結果、興行主側のビジネスが立ち行かなくなったとしても、それはそれで興行主側の自由及びそれによる結果であり、法律で規制されるべき問題ではないのです。
そうした事も含めての契約自由の原則なんですね。
最後にチケットサイト側。
元々、興行主側の指針としては、正装である事が定まっており、且、それが興行主側の販売サイト上では明記されていたところ、チケット販売の委託先であるチケットサイト側のサイトにはそれらの記載が無かったとの事。
委託元(興行主側)が明記しているサービスを受ける為の条件を、委託先(チケットサイト側)が明記しない状態でチケット販売していた行為は、民法上の債務不履行に該当する可能性があります。(債務不履行とは、ザックリと説明すると、依頼された仕事をきちんとやっていない、行った仕事内容に不備があるという事です)
ですから、頂いた文面の範囲内で判断するに、チケットサイト側に対して、サイト上の記載不備によりサービスを受けられなかったとしてチケットの払い戻し等を請求するのが考えられます。
回答者 : サイト管理人 北条たかと この回答者の詳細はこちらをクリック