早期希望退職に対し不安があり、会社に文書を要求しましたが拒否されました。裁判をした方が良いですか?
私の会社は現在希望退職の募集を大々的にしております。
当然希望退職ですので進退の決断は個人に託されておりますが、残留した場合は、将来 働き方や職場(転勤)の変更及び給与体系の見直しもほのめかされています。
私自身は、進退に関し迷っているところですが、数年前に労働災害により残存障害が残っています。14級という軽い障害ですが片足の膝関節の可動範囲の一部を欠損しました。日常生活には目立った支障はありませんが、終日の立ち仕事等は痛みが発生し出来ませんし、和式トイレも利用できません(完全にはしゃがめない為)。
障害認定時に 会社及び労働基準監督署より残存障害見舞金は頂いておりますが、今回の早期希望退職の案内に対し不安があり 次の様な文書の発行を会社に要求しました。
(1)『雇用の継続の場合は身体障害を加味し職場を配慮する』 (2)『退職後の再就職に関し、障害による不利益に対しては会社は保障しない』
自分に対するけじめも含めて、この2項目を記載した文書の発行を要求したのですが、結果回答は『発行しない(できないではない)』とのことです。上位者に確認しましたができないのではなく、『したくない』ようです。
口頭では社内規程に基づいて配慮すると言っていますが、文書にはしない? 再就職に対し職業選択範囲が狭くなっても保障しない と明確にしてほしいといっているのに無回答? 私はなにかまずい事を望んでいるのでしょうか?
要求した文書に基づいて 裁判等を起こす意思は無いと伝えた上での要求でしたが、文書を出さないのならば出さない旨の文書が欲しいとも言ってありました。
しかし、一切の文書は発行しないようです。会社に対し不安感や不信感が募るばかりで進退決断ができません。
いったいどうすることが良いのでしょうか?
文書要求のための裁判(公式申し立て)をした方が良いのでしょうか?因みに現在の仕事は『障害』に影響しない仕事となっています。
(質問no.347 12.02/10 お名前:中林さん 三重県 労働・セクハラ・パワハラカテゴリ)
当サイトからの回答
お勧めしません。
中林さん、はじめまして。無料法律相談ネット・サイト管理人の北条たかとと申します。
>文書の発行を会社に要求しました
>結果回答は『発行しない(できないではない)』とのことです。
要求するのは自由ですし、その行為自体を阻害する事はできませんが、その要求に対して会社側が応じなければいけない法律上の義務はありません。
ですので、会社側の判断として発行しないという事が違法になる訳ではありませんし、その理由開示についても強制はできません。
>口頭では社内規程に基づいて配慮すると言っていますが、文書にはしない?
>私はなにかまずい事を望んでいるのでしょうか?
既述の通り要求そのものを阻害する事はできません。ですから、まずい事を望んでいる訳ではありませんが、法律的な根拠を元に強制はできないという事に留まります。
>口頭では社内規程に基づいて配慮すると言っていますが、文書にはしない?
一般的には転勤の問題でよく出てくるのですが、労働者は原則として業務命令である配転命令には従う必要があります。(勿論、それに対して労働者側が事情を話して転勤をさせないように要求する事自体は制限されません)
配転命令が権利濫用にあたる場合(例えば労働者が被る生活上の不利益が不釣り合いに大きい場合等)には、配転命令は無効と判断される事もありますが、今現在の段階で、地域限定や職種、職場が限定された労働契約を結んでいない場合は会社側の命令には従わなければいけないのです。
ですから、会社側が中林さんに配慮するという回答は本当なのでしょうが、常に配慮が優先されるわけではなく、配慮よりも業務命令が優先される事態も当然あるでしょう。
そうした事態の際、文書にした事で会社の配転命令等の業務命令が制限されてしまう事になりますし、その文書を言質として、将来行われるかもしれない業務命令を中林さんが拒否してくる可能性を憂慮しているのではと推察されます。
>会社に対し不安感や不信感が募るばかりで進退決断ができません
法律上の義務の無い事を要求し、それに応じてもらえない事で会社に対しての不信感が募るのであれば、退職の選択肢も出てくるでしょう。
>文書要求のための裁判(公式申し立て)をした方が良いのでしょうか?
いいえ、お勧めしません。
>因みに現在の仕事は『障害』に影響しない仕事となっています。
会社側が配慮して今の職場での労働が続く可能性も勿論あります。しかし、将来の状況により、どうしても配置転換等が必要になり、そうした業務命令の必要性が配慮を上回る事態も当然考えられます。
回答者 : サイト管理人 北条たかと この回答者の詳細はこちらをクリック