無料法律相談ネット/遺言書の記載内容と優先性

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「この遺言状とは異なる内容の書面を後日作成した場合でも当該遺言書を優先する」旨の記載は有効ですか?


11年前、父(当時71歳)が自分の娘くらいも年下の女性(私=現在52歳=よりも2つ上)と再婚することになりました。

私を含む3人の子供たちはみんな「お金目当てじゃないか?」と反対したのですが、父は、おまえたちに悪いようにはしないと、その女性に対しては1/4、残りもほぼ均等に子供たち(私と弟と妹の3人です)に配分した遺言状を書いてくれました。

ところが今年その父が亡くなり、遺産分割の話し合いとなった際に、後妻にも遺言状が残してあることがわかり、しかもその内容は、全財産をその女性に譲る、とあったのです。

遺言状は、後で書かれたものの方が有効、ということは私も知っています。

ただ、最悪こんなこともあろうかと、前の遺言状には、「後日、この遺言状とは異なる内容の遺言状を作成したとしても、遺産相続人の利害が相反する内容であった場合は、当該遺言状を優先する」という但し書きを入れて貰っていました。

また、その当時その女性から、その条件を了承したという内容の念書も貰ってあります。

ところが女性は、後の遺言状をかざし、今になって、頑として、全部自分が貰う権利があるのだ、と主張してきました。亡父最後の3年間は、ろくに介護もせずに趣味や遊びに熱中していたこんな女性に全財産が行くのは、どう考えても納得いきません。

さて、お訊ねしたいのは、こうした場合、前の遺言状を有効とすることが可能かどうかです。

訴訟沙汰は出来れば避けたいですが、もし絶対有効ということなら、その旨を女性に言って、主張を引っ込めさせたいと思っています。

また、最悪裁判ということになった場合に勝ち目があるのかどうかや、更に、もし前の遺言状が無効になるのだとすれば、どういった文言を入れておけば有効になり得たかどうかも、あわせて教えて頂ければ有難いです。

以上、恥ずかしい話で恐縮ですが、よろしくお願いいたします。

(質問no.701 12.11/13 お名前:渡辺さん 東京都  遺言・相続カテゴリ


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当サイトからの回答

当サイトからの回答
新しい遺言書がある以上、有効とはならないでしょう。



渡辺さん、はじめまして。無料法律相談ネット・管理人の北条たかとと申します。


>前の遺言状には、「後日、この遺言状とは異なる内容の遺言状を作成したとしても、遺産相続人の利害が相反す
>る内容であった場合は、当該遺言状を優先する」という但し書きを入れて貰っていました。

こうした事も含めて、後に作成された、新しい日付の遺言書が優先されます。

又、遺言書は本人が自分の意思のみで作成する必要があり、推定相続人がその内容を指示したり、特定の文言を書かせる様、強要する事もできません。

こうした観点から見ても、残念ですが前に書かれた遺言書の有効性は無いでしょう。


>遺言状は、後で書かれたものの方が有効、ということは私も知っています。

これについてはその通りです。これは法律上の規定であり、それを侵害するような内容の記述はできません。(書いたとしても効力が無い)


>その当時その女性から、その条件を了承したという内容の念書も貰ってあります。

相続発生前に行なわれた協議に関しては、法律上の効果はありません。無効という事になります。


>お訊ねしたいのは、こうした場合、前の遺言状を有効とすることが可能かどうかです。

残念ですが、新しく作成された遺言書が優先となるでしょう。


>最悪裁判ということになった場合に勝ち目があるのかどうかや

まず法律上の規定として、後に作成された、日付の新しい遺言書が優先されるというものがあります。

この規定の趣旨は、遺言を残す人間が、自身の意志で自由に財産を処分できる事や、その意思そのものを後から何度でも自由に撤回や変更できる事にあります。

その点から考えると「当該遺言書を有効とする」という意思自体も自由に撤回できなければいけないのです。(又、法律は性悪説に立った規定でできており、特定の推定相続人が自身に有利な内容の遺言書の作成を強要した場合に備えてといった考え方もあります)

又、遺言書の取り消し方として、「前の遺言書の内容と抵触する内容の遺言書を作る」事による取り消し方法が認められています。

以上の事から、前の遺言書が有効であるとして争っても、大変不利な状況であると言わざるを得ません。


>もし前の遺言状が無効になるのだとすれば、どういった文言を入れておけば有効になり得たかどうかも

法律上、自由に撤回できる規定がある以上、「どんな文言であれば有効であるか」との考え方自体に無理があるでしょう。


>こんな女性に全財産が行くのは、どう考えても納得いきません。

あとはその遺言書自体が法的に有効な要件を備えているかどうかでしょう。

例えば自筆証書遺言という形式で書かれていた場合は、遺言書の内容前文、氏名、日付、を全て自身で直接書く必要があり、押印も必要です。

その要件を書いている場合には遺言書として無効となります。

そうした観点を考慮しても遺言書が有効な場合には遺留分の請求という形で対処していく他ありません。


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回答者 : サイト管理人 北条たかと  この回答者の詳細はこちらをクリック



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