父の遺産相続で、騙されて長男と母の遺産の額が違いました。正規の遺産を取り戻せないでしょうか?
37年前の話です。私がまだ19歳の頃、父が亡くなり、土地の遺産相続の話になりました。
兄弟がいたのですが、父が生前、次男と三男には土地と家を買ってあげた為、次男と三男は遺産を貰いませんでした。
私も結婚の為の嫁入り道具や結婚式のお金を出して貰っていたし、困った時は助けてやると言われたので、母と長男に全ての遺産(土地)を譲りました。
しかし後になって分かったのですが、母が譲り受けた土地は二束三文の土地で、その上、母の土地と言われていた土地の名義を調べてみたら長男の名義になっており(騙されていた)、明らかに長男と母の遺産の額は違いました。(長男の方が数千万円単位で遥かに多い)
今その土地(遺産)は、長男が亡くなった為、長男の子供に引き継がれました。今更ですが、なんとか正規の遺産の額を取り戻す事は出来ないでしょうか?
どうぞ宜しくお願い致します。
(質問no.55 お名前:秋元さん 鹿児島県 遺言・相続カテゴリ)

当サイトからの回答
残念ながらできません。
秋元さん、はじめまして。サイト管理人の北条たかとです。
>次男と三男は遺産を貰いませんでした
>母と長男に全ての遺産(土地)を譲りました
という事は相続の当事者は母親と長男の2人になります。
>母が譲り受けた土地は二束三文の土地
原則的に当事者間で取り決めた遺産分割協議は後でやり直す事はできません。ですから、二束三文であるかどうかは直接的には関係なく、お母さんがその内容で納得していたのであれば法的な問題にはなりません。
>長男と母の遺産の額は違いました。
>なんとか正規の遺産の額を
遺産分割協議で各々差がある内容での遺産分割は可能で、その点も特にそれのみで問題になる訳ではありません。そういう意味では「正規の遺産」は遺産分割協議を経た現在の状況であると言えます。
>土地の名義を調べてみたら長男の名義になっており(騙されていた
これは登記の変更をすれば良い事で、この事と先の遺産分割協議の内容や、やり直しとは直接関係しません。
>騙されていた
原則的に遺産分割協議のやり直しはできないのですが、遺産分割協議をするにあたり、詐欺や錯誤があった場合にはやり直しをする事ができるとされています。幾つか、実際の裁判例もありますが、詐欺や錯誤の事実認定(つまり立証)が厳しく、当事者が亡くなっていたり、当時の書面が残っていないような場合だと実務的には難しいです。
今回のケースですと、「騙された」という事が土地の価格に関しての事であり、それによって遺産分割の意思が決定されたという立証をする必要があります。
>37年前の話です。
そして、時効の問題や当事者の生死の有無の問題もあります。
例えば、詐欺による取消権は、追認をする事ができる時から五年間、行為の時から二十年を経過した時は時効となります。
回答者 : サイト管理人 北条たかと この回答者の詳細はこちらをクリック